第3章 判断|国庫帰属

相続土地国庫帰属制度の統計:申請・帰属・却下の件数の推移(毎月更新)

令和8年9月30日時点で、相続土地国庫帰属制度の申請は6,125件、国に帰属したのは3,231件です(法務省の速報値)。

  • 9月30日時点の件数は、8月31日時点より申請が128件、帰属が112件増えました(法務省の公表値の差)。
  • 「承認率」は法務省が公表していない数字です。分母を「審査が終わった件数」にすると94.5%、「申請総数」にすると52.8%で、意味が違います。
  • 却下・不承認の理由は、添付書類の不足、境界が明らかでない土地、地上に工作物や樹木がある土地、追加の整備が必要な森林が多くなっています。申請前に国庫帰属の要件チェックで確かめられます。

公開 /更新 /執筆・編集:実家の手引き 編集部(運営者情報)

法務省の公表値(速報値)では、令和8年(2026年)9月30日時点で申請6,125件、帰属3,231件、却下86件、不承認103件、取下げ1,162件です。審査が終わった3,420件のうち帰属は94.5%(当サイト算出)です。

このページは、法務省の統計ページ(最新の時点だけを掲載)の値を、当サイトが時点ごとに書き写して残しているものです。数字はすべて速報値で、法務省が後から直す場合があります。制度の要件と費用は相続土地国庫帰属制度とはにまとめています。

相続土地国庫帰属制度の最新の件数は?

令和8年9月30日時点の件数は、次のとおりです(法務省、令和8年10月19日掲載、速報値)。相続土地国庫帰属制度は、令和5年(2023年)4月27日に始まった制度で、件数は開始からの累計です。

相続土地国庫帰属制度の件数(令和8年9月30日時点・累計)
区分 件数 意味
申請 6,125件 法務局に申請された件数
帰属 3,231件 承認され、負担金を納めて国の土地になった件数
却下 86件 申請の要件を満たさず、審査の前に退けられた件数
不承認 103件 審査の結果、承認されなかった件数
取下げ 1,162件 申請者が申請を取り下げた件数

帰属とは、法務大臣の承認を受けた土地について、申請者が負担金を納め、その土地の所有権が国に移ることです(国庫帰属法11条)。承認されても、負担金を納めなければ帰属しません。

前の時点から何件増えましたか?

令和8年8月31日時点から9月30日時点までの1か月で、申請は128件、帰属は112件増えました。当サイトが記録した2つの時点の差で、法務省が公表した数字ではありません。

時点ごとの件数と差(法務省の公表値から当サイトが作成)
区分 令和8年8月31日時点 令和8年9月30日時点 差
申請 5,997件 6,125件 +128件
帰属 3,119件 3,231件 +112件
却下 85件 86件 +1件
不承認 100件 103件 +3件
取下げ 1,139件 1,162件 +23件
  • 8月31日時点の値は、法務省のページが令和8年9月16日に更新された内容を、当サイトが2026年10月16〜17日に記録したものです。
  • それより前の時点の値は、一次情報で記録できていないため載せていません。法務省のページが更新されたら、この表に行を足します。

承認率はどう計算すればよいですか?

相続土地国庫帰属制度の承認率は、法務省が公表していない数字です。自分で計算するときは、分母を何にするかで値が大きく変わります。

分母の取り方と値(令和8年9月30日時点・当サイト算出)
計算の仕方 式 値 読み方
審査が終わった件数に占める帰属 3,231 ÷(3,231+86+103) 94.5% 却下・不承認まで進んだ申請に限ると、大半が帰属している
申請総数に占める帰属 3,231 ÷ 6,125 52.8% 審査中・取下げも分母に入るため低く出る
審査が終わった件数に占める却下・不承認 (86+103)÷ 3,420 5.5% 取下げを含まない
  • 審査が終わった件数は、帰属・却下・不承認の合計の3,420件です。承認されたが負担金を納めていない件数は公表されていないため、この式では帰属として数えていません。
  • 申請総数から、帰属・却下・不承認・取下げを引いた1,543件は、審査中などと考えられますが、内訳は公表されていません。
  • 取下げ1,162件のうち415件は「却下・不承認であることが判明した」ものです(次の章)。94.5%は、この取下げを含まない値です。「申請すればほとんど通る」と読むのは正確ではありません。

却下・不承認の理由で多いものは?

却下の理由で多いのは添付書類の不足(37件)と、境界が明らかでない土地(23件)、現に通路に使われている土地(22件)です。不承認の理由で多いのは、地上に工作物・車両・樹木などがある土地(49件)と、国による追加の整備が必要な森林(37件)です。1件に複数の理由がある場合があるため、理由の件数を足しても却下・不承認の件数とは一致しません。

却下の理由(令和8年9月30日時点、累計)
理由 件数 根拠 8月31日時点
添付書類の提出がなかった 37件 法4条1項2号 37件
境界が明らかでない土地 23件 法2条3項5号 23件
現に通路の用に供されている土地 22件 施行令2条1号 22件
申請の権限を有しない者の申請 11件 法4条1項1号 10件
建物の存する土地 4件 法2条3項1号 4件
現に水道用地・用悪水路・ため池の用に供されている土地 1件 施行令2条4号 1件
不承認の理由(令和8年9月30日時点、累計)
理由 件数 根拠 8月31日時点
管理・処分を阻害する工作物・車両・樹木などが地上にある 49件 法5条1項2号 46件
国による追加の整備が必要な森林 37件 施行令4条3項3号 37件
国庫に帰属した後、国が管理費以外の金銭債務を負う 12件 施行令4条3項4号 12件
災害の危険を防ぐ措置が必要 11件 施行令4条3項1号 11件
所有権に基づく使用・収益が現に妨害されている 8件 施行令4条2項2号 8件
崖(勾配30度以上かつ高さ5m以上)があり、管理に過分の費用・労力がかかる 7件 法5条1項1号 7件
民法上の通行権が現に妨げられている 4件 施行令4条2項1号 4件
除去しないと管理・処分できない有体物が地下にある 3件 法5条1項3号 3件

8月31日時点からの1か月で増えた理由は、却下の「申請の権限を有しない者の申請」が1件、不承認の「地上に工作物・車両・樹木などがある」が3件でした。

申請前に何を確かめれば、却下・不承認を避けやすいですか?

却下・不承認の理由の多くは、申請前に自分で確かめられます。理由を、申請前の点検項目に置き換えると次のとおりです。

理由ごとの申請前の点検(当サイト作成)
多い理由 申請前に確かめること
添付書類の不足 法務局の案内で必要書類を確認し、事前相談で書類をそろえる
境界が明らかでない 隣地との境界の目印や、境界について争いがないかを確かめる
通路に使われている 近所の人が通り道として使っていないかを現地で確かめる
地上の工作物・車両・樹木 物置・ブロック塀・放置車両・管理の妨げになる樹木がないかを確かめる
追加の整備が必要な森林 市町村森林整備計画との関係を市町村の林務担当に確かめる

要件を質問の形で確かめるには、国庫帰属の要件チェックを使ってください。

建物がある土地は申請できません(法2条3項1号)。家が建っている実家の土地は、解体してからの申請になります。建物を残したまま手放す方法は、空き家・田舎の土地が売れないときの対処で比べています。

取下げはなぜ多いのですか?

取下げ1,162件のうち、595件(51.2%)は「有効活用の見込みが生じた」、415件(35.7%)は「却下・不承認であることが判明した」ものです(令和8年9月30日時点、割合は当サイト算出)。

取下げの理由(令和8年9月30日時点、累計)
理由 件数 8月31日時点
有効活用の見込みが生じた 595件 586件
却下・不承認であることが判明した 415件 405件
その他 152件 148件

法務省は「有効活用の見込みが生じた」例として、自治体や国の機関による土地の活用の決定、隣接地の所有者からの引き受けの申出、農業委員会の調整などで農地として活用される見込みになったことを挙げています。申請をきっかけに、国以外の引き受け手が見つかる場合があるということです。

どんな土地が多く申請され、帰属していますか?

申請は田・畑が2,372件(38.7%)で最も多く、宅地2,135件(34.9%)、山林928件(15.2%)、その他690件(11.3%)です。帰属は宅地1,208件(37.4%)、農用地1,013件(31.4%)、森林229件(7.1%)、その他781件(24.2%)です(令和8年9月30日時点、割合は当サイト算出)。

申請(地目別)と帰属(種目別)
申請の地目 件数 8月31日時点 帰属の種目 件数 8月31日時点
田・畑 2,372件 2,335件 農用地 1,013件 989件
宅地 2,135件 2,091件 宅地 1,208件 1,164件
山林 928件 902件 森林 229件 203件
その他 690件 669件 その他 781件 763件

申請は「地目」、帰属は「種目」で数えられていて、区分の名前も中身も同じではありません。このため「宅地の承認率」「山林の承認率」のような、区分ごとの割合は、公表値からは正しく計算できません。宅地の帰属1,208件÷宅地の申請2,135件のような計算は、分母と分子の区分がそろっていない点に注意してください。

農地を相続した場合の手続きは相続した農地を売る・手放す、山林は相続した山林を売る・手放すで説明しています。

この数字を引用してもよいですか?

法務省の公表値は、法務省の統計ページ(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00579.html)を出典として引用してください。当サイトが算出した値(前の時点との差、割合、承認率の計算)を使う場合は、「実家の手引き(akiya-jikka.com)調べ。法務省の公表値(速報値)から算出」と書き、このページへのリンクを添えてください。

  • 数字はすべて速報値です。引用するときは「令和8年9月30日時点」のように、時点を添えてください。
  • 誤りに気づいた場合は、訂正の方針にある連絡先までお知らせください。法務省の公表値と照らして確かめ、直したときは訂正の記録に残します。

この記事で使える計算ツール

計算ツールは、本文の後に置く追加機能です。ツールが動かない環境でも、本文の説明と表の計算例だけで内容を読めます。

よくある質問

相続土地国庫帰属制度の承認率は何%ですか?

法務省は承認率を公表していません。令和8年9月30日時点の公表値から計算すると、審査が終わった件数に占める帰属は94.5%、申請総数に占める帰属は52.8%です(当サイト算出)。

相続土地国庫帰属制度で却下される理由で多いのは何ですか?

令和8年9月30日時点では、添付書類の提出がなかった(37件)、境界が明らかでない土地(23件)、現に通路に使われている土地(22件)が多い理由です(法務省、速報値)。

相続土地国庫帰属制度の統計はどこで確認できますか?

法務省の「相続土地国庫帰属制度の統計」ページで確認できます。ページには最新の時点の値だけが載り、過去の時点の値は残りません。

相続土地国庫帰属制度は、何件くらい申請されていますか?

令和8年9月30日時点で6,125件です。令和5年4月27日の制度開始からの累計で、8月31日時点の5,997件から128件増えました。

この記事の根拠

  1. 法務省:相続土地国庫帰属制度の統計(令和8年9月30日現在、令和8年10月19日掲載、速報値)(確認日 )
  2. 法務省:相続土地国庫帰属制度の統計(令和8年8月31日現在、令和8年9月16日更新、速報値)※当サイトが同じURLで2026-10-16〜17に記録した値(確認日 )
  3. 法務省:相続土地国庫帰属制度の概要(確認日 )
  4. 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(令和3年法律第25号)(確認日 )
  5. 同法施行令(令和4年政令第316号)(確認日 )
  • 法務省「相続土地国庫帰属制度の統計」(令和8年9月30日現在、令和8年10月19日掲載、速報値)https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00579.html(2026年10月22日確認)
  • 同ページの令和8年8月31日現在の値(令和8年9月16日更新、速報値。当サイトが2026年10月16〜17日に記録)
  • 法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html(2026年10月17日確認)
  • 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(令和3年法律第25号)・同法施行令(令和4年政令第316号)、e-Gov 法令検索(2026年10月17日確認)