第2章 相続直後|ツール

相続した家の期限カレンダー:放棄・相続税・登記・3,000万円控除

相続した家の期限カレンダーは、亡くなった日と売却予定日から、相続放棄・相続税・相続登記・3,000万円控除・確定申告の期限の日付を自動で計算します。

  • 亡くなった日を入れると、相続放棄、相続税の申告、相続登記、3,000万円控除、取得費加算の期限が日付で出ます。売却予定日を入れると、確定申告の期間と、期限内かどうかも出ます。
  • 3,000万円控除は、相続開始から3年目の年末と、制度の期限(令和9年(2027年)12月31日)の早い方が、実際の期限です。
  • 国税の期限は、土曜日・日曜日・祝日・12月29日〜1月3日に当たると翌日になります。相続放棄と相続登記は、翌日になるか確認できていないため、延ばさずに表示します。

公開 /更新 /執筆・編集:実家の手引き 編集部(運営者情報)

このツールで何がわかりますか?

相続した不動産の判断に関わる期限の日付が、この期限カレンダーでわかります。計算するのは、次の7つです。

このツールで何がわかりますか?
期限 何の期限か 根拠
相続放棄 家庭裁判所に申述する最終日 民法915条1項
相続税の申告・納税 申告書の提出と納付の最終日 国税庁No.4205、国税通則法10条
相続登記 相続登記を申請する最終日 不動産登記法76条の2
3,000万円控除 この日までに売ると控除の対象 租税特別措置法35条3項
取得費加算 この日までに売ると特例の対象 租税特別措置法39条
空き家特例の工事(売却後に耐震改修・解体する場合) 譲渡の翌年2月15日 国税庁No.3306
売却翌年の確定申告 2月16日〜3月15日 国税庁No.2020

結果は日付と曜日、今日からの残り日数で表示します。残り日数に応じて、経過・30日以内・90日以内・余裕ありの区分を付けます。

何を入力しますか?

入力は、亡くなった日だけで計算できます。それ以外は、わかる場合に入力します。

何を入力しますか?
入力 必須 内容
被相続人が亡くなった日(相続開始日) 必須 3,000万円控除の期限に使う
相続の開始があったことを知った日 任意(初期値は亡くなった日) 相続税の申告期限に使う
自己のために相続の開始があったことを知った日 任意(初期値は亡くなった日) 相続放棄の期限に使う。先順位の相続人が放棄したことを知った場合などは、その日を入れる
不動産を相続で取得したと知った日 任意(初期値は亡くなった日) 相続登記の期限に使う
売却予定日(譲渡の日) 任意 期限内かの判定と、確定申告の期間に使う
相続税がかかる見込み 任意 取得費加算の期限を表示するかを決める

「知った日」が分からない場合は、亡くなった日を入れてください。実際の起算日が遅い場合は、期限が後ろにずれる可能性がありますが、安全側の日付で確認できます。

結果はどう読みますか?

結果の日付は、手続きの「最終日」です。最終日の当日までに手続きを終える必要があります。休日の扱いは、手続きごとに異なります。

  • 相続放棄:知った日の翌日から数え、3か月後の応当日が最終日です(民法140条・143条)。8月20日に知った場合は11月20日です。休日に当たっても延ばさず表示します。休日の場合は、前の平日までの申述を前提にしてください。
  • 相続税:相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月後の応当日です(相続税法27条、国税庁No.4205)。土曜日・日曜日・祝日・12月29日〜1月3日に当たるときは、翌日以後の最初の平日です(国税通則法10条2項)。
  • 相続登記:不動産を取得したと知った日から3年後の応当日です。令和6年(2024年)4月1日より前に知った場合は、令和9年(2027年)3月31日です(法務省)。
  • 3,000万円控除:相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日と、令和9年12月31日の早い方です。この日までに売る必要があります。
  • 取得費加算:相続税の申告期限の3年後の応当日です。相続税が課されていることが前提です。3,000万円控除とは併用できません(国税庁No.3306)。
  • 確定申告:譲渡の翌年の2月16日から3月15日です。3月15日が休日などに当たるときは翌日です(国税通則法10条2項)。

月数の加算は、応当日がない月では月末日にします(例:2026年11月30日の3か月後は2027年2月28日)。売却予定日を入れた場合は、「3,000万円控除の期限内」「取得費加算の期限内」を別々に表示します。どちらを選ぶかは、税額で比べます。個別の判断は税理士・税務署にご確認ください。

計算例:モデルケースの日付はいつですか?

次の表は、本サイトの計算によるモデルケース(見本の数字)です。「今日」は2026年10月17日としています。

ケースA:2026年8月20日に亡くなり、その日に知った。売却予定は2027年9月30日。

モデルケース:見本の数字|計算例:モデルケースの日付はいつですか?
期限 日付 今日から 計算
相続放棄 2026年11月20日(金) 34日 8月20日の3か月後
相続税の申告・納税 2027年6月21日(月) 247日 10か月後は6月20日(日)で、翌日の月曜
相続登記 2029年8月20日(月) 1,038日 3年後
3,000万円控除(売却の期限) 2027年12月31日(金) 440日 年末の期限は2029年12月31日だが、制度の期限が先
取得費加算(売却の期限) 2030年6月21日(金) 1,343日 申告期限の3年後
売却翌年の確定申告 2028年2月16日〜3月15日(水) — 売却予定が2027年のため
空き家特例の工事 2028年2月15日(火) 486日 譲渡の翌年2月15日

売却予定日(2027年9月30日)は、3,000万円控除と取得費加算の、どちらの期限よりも前です。

ケースB:2023年8月20日に亡くなり、その日に知った。相続登記は未了。

モデルケース:見本の数字|計算例:モデルケースの日付はいつですか?
期限 日付 今日から 計算
相続放棄 2023年11月20日(月) 過ぎている 8月20日の3か月後
相続税の申告・納税 2024年6月20日(木) 過ぎている 10か月後
相続登記 2027年3月31日(水) 165日 令和6年4月1日より前に知った場合の経過措置
3,000万円控除(売却の期限) 2026年12月31日(木) 75日 相続開始から3年目の年末。制度の期限より先
取得費加算(売却の期限) 2027年6月20日(日) 246日 申告期限(2024年6月20日)の3年後

ケースBは、3,000万円控除の期限まで75日です。譲渡所得の収入の計上時期は、原則として資産の引渡しがあった日で、納税者の選択により契約の効力発生日とすることもできます(所得税基本通達36-12)。空き家特例の期限の判定にどちらを使えるかは、国税庁No.3306に記載がないため、期限が近い場合は税務署に確認してください。

前提と、できないことは何ですか?

相続した家の期限カレンダーは、法令の期間の規定にもとづく日付の計算です。個別の事情による特例や延長は反映できません。

  • 家庭裁判所の期間の伸長:相続放棄の期限は、家庭裁判所に申し立てて伸ばせる場合があります(民法915条1項ただし書)。伸長後の期限は計算しません。
  • 祝日:内閣府が公表する2027年までの祝日を使います。未公表の年は、祝日を考慮できない旨を表示します。
  • 起算日:利用者が入力した日にもとづきます。実際の起算日が異なる場合は、結果も変わります。
  • 相続税の特例:相続税の申告が不要な場合や、在外の相続人がいる場合などの個別の扱いは反映しません。
  • 3,000万円控除の延長:令和10年(2028年)以降の延長は決まっていません(国土交通省の令和9年度税制改正要望は4年延長を求めています)。ツールは、現行条文の令和9年12月31日で計算します。
  • 対象外の期限:準確定申告、遺留分侵害額請求、年金・保険の手続きなどは含みません。

死亡後の一般的な手続きの期限は、姉妹サイトのふれあいの丘(運営:株式会社Kogera)で調べられます。

計算フォーム

計算フォームは、本文の後に置く追加機能です。入力欄が動かない環境でも、本文の説明と静的な計算例で内容を確認できます。

よくある質問

相続放棄の期限が土日に当たったら、翌日になりますか?

確認できていません。民法142条は、期間の末日が日曜日や祝日に当たるとき、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、翌日に満了すると定めます。家庭裁判所での扱いは未確認のため、このツールは延ばさずに表示します。休日に当たる場合は、前の平日までに申述するのが安全です。

3,000万円控除は、いつまでに売ればいいですか?

相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。ただし、制度の適用期間が令和9年(2027年)12月31日までのため、いずれか早い日が期限です(租税特別措置法35条3項、国税庁No.3306)。

取得費加算の期限は、相続開始から何年ですか?

相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです(国税庁No.3267)。相続開始からおよそ3年10か月が目安です。相続税が課されていない場合は、使えません。

相続登記の期限は、いつまでですか?

不動産を相続で取得したと知った日から3年以内です(不動産登記法76条の2第1項)。令和6年(2024年)4月1日より前に相続して、登記が済んでいない場合は、令和9年(2027年)3月31日までです(法務省)。

期限を過ぎてしまったら、どうなりますか?

手続きにより異なります。相続登記は、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です(不動産登記法164条1項)。3,000万円控除は、期限後の売却では使えません。相続放棄は、家庭裁判所・専門家に確認してください。

この記事の根拠

  1. 民法140条・142条・143条(期間の計算)、915条(相続放棄の期間)(確認日 )
  2. 国税通則法10条(期間の計算及び期限の特例)(確認日 )
  3. 国税通則法施行令2条2項(期限の特例の日:土曜日・12月29日〜31日)(確認日 )
  4. 行政機関の休日に関する法律1条・2条(確認日 )
  5. 内閣府:国民の祝日について(syukujitsu.csv、1955年〜2027年)(確認日 )
  6. 国税庁タックスアンサー No.4205 相続税の申告と納税(確認日 )
  7. 国税庁タックスアンサー No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(確認日 )
  8. 国税庁タックスアンサー No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(確認日 )
  9. 国税庁タックスアンサー No.2020 確定申告(確認日 )
  10. 租税特別措置法35条3項・39条(確認日 )
  11. 不動産登記法76条の2・76条の3・164条(確認日 )
  12. 法務省:相続登記の申請義務化に関するQ&A(確認日 )
  13. 裁判所:相続の放棄の申述(確認日 )
  14. 国土交通省 令和9年度税制改正要望事項(令和8年8月)(確認日 )
  15. 国税庁 所得税基本通達36-12(山林所得又は譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期)(確認日 )

計算例は、本サイトによる計算です。祝日は、内閣府「国民の祝日について」のCSV(1955年〜2027年)を使っています。国税庁の記載は令和8年4月1日現在法令等です。出典は上の一覧のとおりです。

この記事は一般的な情報です。個別の事案や、税務の判断に代わるものではありません。最終判断は、税理士・司法書士・税務署・家庭裁判所にご確認ください。更新日:2026年10月17日。