第3章 判断|診断
実家の出口診断:7つの出口を同じ項目で比べる(売る・貸す・活かす・手放す)
実家の出口診断は、7つの質問から、売る・貸す・活かす・手放すの7つの出口のどれが向くかを同じ項目で比べるツールです。
この診断の結論
- 7問に答えると、7つの出口それぞれが「向く」「条件つき」「向かない」のどれかで並びます。
- 判定は、建物の状態・訳あり条件・手放したい時期・場所・相続した時期・管理のしかた・売りに出したかの7つだけで決めます。
- 結果は一般的な整理です。価格や税額は、物件ごとに不動産会社・税務署・法務局で確かめてください。
計算フォーム
入力した数字は、この画面の中だけで計算し、どこにも送信しません。入力欄が動かない環境でも、下の説明と計算例で内容を確認できます。
この診断で分かること
出口が7つあることは分かっても、自分の家にどれが残るのかは、条文を読んでも出てきません。建物が倒壊のおそれがある家は仲介では買い手が付きにくく、共有持分だけでは貸すことも国庫帰属の申請もできません。この診断は、その「残る出口」と「消える出口」を一度に並べます。
診断は7問で、入力した内容はこの画面の中だけで扱い、どこにも送信しません。
7つの出口と、比べる項目
出口は、仲介売却、買取業者への売却、賃貸、土地活用、解体して更地、相続土地国庫帰属、相続放棄または持ち続ける、の7つです。どれを選ぶかは、手放せる時期と、かけられる手間と、訳あり条件の3つで変わります。
| 出口 | 手放せるまでの目安 | 主な費用 | 訳あり条件があるとき |
|---|---|---|---|
| 仲介売却 | 買い手が見つかるまで | 仲介手数料 | 買い手が限られる |
| 買取業者への売却 | 比較的早い | 仲介手数料がかからない場合がある | 扱う会社がある |
| 賃貸 | 手放さない | 修繕・管理 | 単独で貸せない場合がある |
| 土地活用 | 手放さない | 初期投資 | 使えない場合がある |
| 解体して更地 | 解体の工期 | 解体費用 | 条件によって変わる |
| 国庫帰属 | 標準処理期間8か月 | 審査手数料1筆14,000円・負担金 | 建物があると申請できない |
| 相続放棄・持ち続ける | 放棄は知った時から3か月 | 持ち続ける場合は固定資産税 | 変わらない |
出典は、国庫帰属が相続土地国庫帰属法と法務省、相続放棄の3か月が民法915条です。
判定のルール
ルールは全部公開します。1つでも「向かない条件」に当たれば向かない、「向く条件」をすべて満たせば向く、どちらでもなければ条件つきです。
| 出口 | 向かない条件(1つでも) | 向く条件(すべて) |
|---|---|---|
| 仲介売却 | 訳あり条件あり/倒壊のおそれ/仲介で売れていない/手放さず残したい | 訳あり条件なし・手放す前提・都市部か地方の市街地・まだ売りに出していない |
| 買取業者への売却 | 手放さず残したい | 訳あり条件あり、倒壊のおそれ、仲介で売れていない、3か月以内に手放したいのいずれか |
| 賃貸 | 倒壊のおそれ/土地だけ/3か月以内に手放したい/共有持分 | 住める状態・残したい・都市部か地方の市街地 |
| 土地活用 | 山間部・別荘地/共有持分/借地権/3か月以内に手放したい | 土地だけ・都市部か地方の市街地・残したい |
| 解体して更地 | 建物はない/共有持分 | 倒壊のおそれがある建物がある |
| 国庫帰属 | 建物がある/共有持分/借地権/3か月以内に手放したい/手放さず残したい | 土地だけ・郊外か山間部・仲介で売れていない |
| 相続放棄・持ち続ける | 相続から3年より前で、かつ手放したい | まだ相続していない、または残したいのいずれか |
共有持分で国庫帰属が向かないのは、共有の土地は共有者全員で申請する必要があるためです(法務省)。相続から3年より前を向かないとしたのは、相続放棄の3か月(民法915条)を過ぎている可能性が高いという目安で、起算日は人によって違います。手放さず持ち続ける選択は、この期限に左右されません。
判定の計算例
同じ家でも、答えが1つ変わると残る出口が変わります。3つのケースで確かめます。
| ケース | 回答 | 向く出口 | 向かない出口 |
|---|---|---|---|
| 郊外の古い家 | 倒壊のおそれ・訳ありなし・1年以内・郊外・3年以内に相続・遠方・まだ売っていない | 買取、解体して更地 | 仲介売却、賃貸、国庫帰属 |
| 都心の実家を残す | 住める・訳ありなし・残したい・都市部・3年以内に相続・管理できる・まだ売っていない | 賃貸、相続放棄・持ち続ける | 仲介売却、買取、国庫帰属 |
| 共有持分だけ | 住める・共有持分・3か月以内・地方の市街地・3年より前に相続・遠方・仲介で売れていない | 買取 | 仲介売却、賃貸、土地活用、解体、国庫帰属、相続放棄 |
1つ目は、建物が倒壊のおそれという答えだけで仲介売却が消え、買取と解体が残ります。3つ目は、共有持分という答えで6つの出口が消え、買取だけが残ります。
この診断の限界
出せないものがあります。価格、税額、解体費用の見積りは、物件ごとに変わるため、この診断では出しません。手取りの計算は売却手取り計算、期限の計算は期限カレンダーを使ってください。
個別の売却の相談、業者の選び方の助言、契約手続きの代行は行いません。当サイトは不動産の取引に関わらず、記事と診断で情報を提供するだけです。
よくある質問
診断の結果どおりに進めればよいのですか。
結果は一般的な整理です。価格と税額は物件ごとに変わるため、不動産会社の査定、税務署または税理士、法務局での確認を経てから決めてください。
入力した内容は送信されますか。
送信されません。判定はブラウザの中だけで行います。計算したという記録だけがアクセス解析に残ります。
建物があると国庫帰属は使えないのですか。
使えません。建物がある土地は申請できないため、申請するには先に解体して更地にする必要があります(相続土地国庫帰属法、法務省)。
相続してから何年も経っていますが、まだ出口は選べますか。
売る、貸す、活かす、手放すは選べます。期限があるのは相続放棄(知った時から3か月)、相続登記(3年以内、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料)、空き家の3,000万円控除(相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)です。