第6章 持ち続ける|持ち続ける

固定資産税の課税明細書の見方:欄ごとの意味と、相続した空き家で確かめること(早見表)

課税明細書は、土地と家屋ごとに価格(評価額)・課税標準額・税相当額を載せた書面です。住宅用地の特例が付いているかは、課税標準額が評価額の何分の1かで確かめます。

  • 課税明細書は、納税通知書とは別の、土地・家屋ごとの内訳です。評価額に特例の率を掛けると課税標準額、課税標準額に税率を掛けると税額(税相当額)になります。
  • 住宅用地の特例が付いているかは、土地の課税標準額が評価額の6分の1(都市計画税は3分の1)になっているかで確かめます。
  • 欄の名前は市町村ごとに違います。東大和市と仙台市の公式資料で確かめた範囲を、早見表にしました。

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課税明細書とは何で、いつ届きますか?

課税明細書とは、市町村が土地・家屋の固定資産税を徴収するときに、納税者へ交付する明細の文書です(地方税法364条3項)。納税通知書には合計の課税標準額と税額が載り、課税明細書には物件ごとの内訳が載ります。仙台市は、納税通知書に課税明細書を同封しています。

法律が、課税明細書に載せるよう定める事項は、次のとおりです。

課税明細書とは何で、いつ届きますか?
区分 載せるよう定められた事項(地方税法364条3項・4項)
土地 所在、地番、地目、地積、価格
家屋 所在、家屋番号、種類、構造、床面積、価格
住宅用地の特例などを受ける土地・家屋 価格に特例の率を掛けた金額

最後の行から、住宅用地の特例(同法349条の3の2)が付いていれば、明細書に「価格に特例の率を掛けた金額」が載ります。交付の期限は、遅くとも納期限の10日前です(地方税法364条9項)。届く月は、市町村で違います。

税は、毎年1月1日(賦課期日)の状態で決まります(同法359条)。

土地の欄は、何を意味しますか?

土地の欄は、場所・地目・地積、評価額、住宅用地の区分、課税標準額、税相当額の順に読みます。次の表は、東大和市と仙台市の公式資料の説明をもとにした、土地の早見表です。

土地の欄は、何を意味しますか?
欄の名前(自治体の表記例) 意味 空き家で見る点
所在・地番 土地の場所。住居表示の住所と違う場合がある(横浜市の注意) 登記事項証明書の所在と合うか
地目(登記地目・現況地目) 登記簿上の地目と、実際の利用状況の地目。課税の計算は現況地目に応じて行う(東大和市) 宅地のはずが、畑などのまま残っていないか
地積(登記地積・現況地積・課税地積) 土地の面積。現況(課税)地積は、原則として登記地積と一致する(東大和市) 200㎡を超えるか。超えると特例の率が変わる
評価額(法令の用語は「価格」) 総務大臣が定めた固定資産評価基準で評価した価格。売買の市場価格ではない(東大和市) 保有コスト計算の最初の入力。売値の目安にしない
住宅用地の区分(小規模住宅用地・一般住宅用地・上記以外の土地、仙台市は非住宅用地) 住宅の敷地のうち200㎡までが小規模、超える部分が一般。駐車場・店舗・山林などは上記以外(東大和市) 小規模・一般の欄に面積が入っているか
課税標準額(固定資産税・都市計画税) 評価額に特例率を掛けた額。税率を掛ける前の金額(東大和市) 評価額の何分の1か
前年度課税標準額・負担水準・負担調整 負担水準は、前年度課税標準額が今年度の評価額(×特例率)にどこまで達したかの割合。区分に応じて課税標準額が調整される(仙台市) 特例が外れた年に大きく動くことがある
税相当額(相当額) 課税標準額に税率を掛けた額。固定資産税の標準税率は1.4%、都市計画税の上限は0.3%(地方税法350条・702条の4) 物件ごとの額。合計は端数処理で年税額と合わないことがある(仙台市)
備考 特例などの事由。仙台市は番号で表示し、「③住宅用地」などがある 特例の表示があるか

家屋の欄は、何を意味しますか?

家屋の欄は、種類・構造・床面積・建築年を見て、実際の建物と合っているかを確かめます。家屋は土地と違い、評価額がそのまま課税標準額になります(東大和市)。

家屋の欄は、何を意味しますか?
欄の名前(自治体の表記例) 意味 空き家で見る点
所在・家屋番号 家屋番号は、登記で建物ごとに付く固有の番号。未登記の家屋には付かない(東大和市)。仙台市は、未登記に市の管理用番号を付ける 登記された建物か、未登記か
種類(用途) 原則は登記上の種類と同じ。実際の利用状況で異なる場合がある(東大和市) 空き家でも住宅の種類のままか
構造 建物を構成する主な資材の種類(東大和市)。木造・鉄筋コンクリート造など(仙台市) 実際の構造と合うか
床面積(登記・現況・課税) 登記上の面積と、実際(課税上)の面積。現況は原則、登記と一致する(東大和市) 増築・取壊しが反映されているか
建築年(築年) 建物の完成した年度。建築年の翌年度から課税が始まる(東大和市)。年が明確でないときは管理用の年次を表示する(仙台市) 古い家は、年が不明の表示になる場合がある
評価額・課税標準額 家屋は、評価額がそのまま課税標準額(東大和市) 保有コスト計算の家屋の入力
軽減額(軽減税額)・備考 新築住宅の減額など。仙台市は、新築から3年間(3階建て以上の耐火・準耐火は5年間)、120㎡までの部分の固定資産税の2分の1 築年が古い空き家は、通常は表示がない

欄の名前は、自治体でどう違いますか?

欄の名前も並び方も、市町村の様式で違います。東大和市と仙台市の資料を対照すると、同じ内容でも名前が変わります。地方税法が定める事項(上の表)は同じです。

欄の名前は、自治体でどう違いますか?
内容 東大和市 仙台市
価格 評価額 評価額
面積 登記地積・現況地積 登記地積・課税地積
住宅用地の区分 小規模住宅用地・一般住宅用地・上記以外の土地 住宅用地特例区分(小規模・一般・非住宅用地)
負担の調整 固定・都計の負担水準の欄 負担水準と、調整の区分(A〜F)
税率の説明 固定資産税1.4%、都市計画税0.26% 固定資産税1.4%、都市計画税0.3%

税率の行は、各市の資料が説明に使っている数字です。自分の市町村の欄の意味は、市町村が公開している「課税明細書の見方」で確かめてください。

相続した空き家で、課税明細書の何を確かめますか?

相続した空き家では、宛名と名義、住宅用地の特例、面積、家屋の実態の4点を確かめます。次の表が確かめる順です。

相続した空き家で、課税明細書の何を確かめますか?
確かめること 見る欄 見方
宛名と名義 納税通知書の宛名 登記簿の所有者が賦課期日前に亡くなっているときは、1月1日に現に所有している人が納税義務者(地方税法343条2項)。名義の変更は登記で、課税の届出では所有権は変わらない(横浜市)
住宅用地の特例 住宅用地の区分・課税標準額・備考 小規模・一般の欄に面積があり、課税標準額が評価額の何分の1か(次の表)
面積 地積・床面積 登記事項証明書と合うか。敷地が複数の筆なら、全体で小規模と一般に分ける(東大和市)
家屋の実態 種類・構造・建築年 取壊し・増築などは、届出が必要な場合がある(横浜市)

亡くなった後の行政手続きは、姉妹サイトのふれあいの丘(運営:株式会社Kogera)が扱っています。

住宅用地の特例が付いているかは、どう確かめますか?

土地の課税標準額を評価額で割ると、特例が付いているかが分かります。小規模住宅用地の固定資産税は評価額の6分の1、一般住宅用地は3分の1です(地方税法349条の3の2)。都市計画税は、小規模が3分の1、一般が3分の2です(同法702条の3)。

住宅用地の特例が付いているかは、どう確かめますか?
課税標準額÷評価額 読み方の目安
約6分の1(16.7%) 固定資産税で、小規模住宅用地の特例が付いている
約3分の1(33.3%) 固定資産税の一般住宅用地、または都市計画税の小規模住宅用地
約3分の2(66.7%) 都市計画税の一般住宅用地
約2割〜7割 住宅用地以外の土地で、負担調整後の額(上限は評価額の7割、下限は2割。仙台市の表)

東大和市の見本は、評価額3,000万円・200㎡の土地です。固定資産税の課税標準額は3,000万円×1/6=500万円、税相当額は500万円×1.4%=70,000円です。都市計画税は、3,000万円×1/3=1,000万円に0.26%を掛けた26,000円です。200㎡を超える土地は、小規模と一般に分かれるため、割合は上の表の中間になります。

勧告を受けると、課税明細書の何が変わりますか?

勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地は、住宅用地から除かれ、特例が外れます(地方税法349条の3の2第1項、空家法13条2項・22条2項)。課税標準額が、評価額の6分の1から、負担調整後の額(上限は評価額の7割)に上がるため、土地の税相当額が増えます。

勧告がなくても、人が居住する見込みがないと客観的に認められる家屋の敷地は、特例の対象になりません。総務省の通知(平成27年5月26日)にもとづく扱いで、運用している市町村の例が、国土交通省・総務省の事務連絡(令和3年3月30日)にあります。

課税明細書の読み方は、次のとおりです。

勧告を受けると、課税明細書の何が変わりますか?
見る欄 特例が付いているとき 特例が外れたとき
住宅用地の区分(東大和市の様式) 小規模・一般の欄に面積 面積は「上記以外の土地」の欄に入ると読める
課税標準額÷評価額 約6分の1など 7割を上限とする、高い割合
備考(仙台市の様式) 「③住宅用地」の番号がある 番号がなくなると読める

特例が外れた年度のどの課税から反映されるか、明細書での表示は、市町村の運用で違います。担当課に確認してください。

見本の土地(150㎡、評価額1,500万円)では、土地の税が年50,000円から、特例が外れた最初の年に153,000円〜178,500円になります。前年度の課税標準額の扱い(地方税法附則18条の3)と試算は、更地にすると固定資産税はいくら上がる?と持ち続けるコストとリスクにあります。

保有コスト計算には、どの欄の数字を入れますか?

保有コストの計算には、課税標準額ではなく、土地と家屋の評価額と、土地の面積を入れます。特例の計算は、計算ツール側で行います。

保有コスト計算には、どの欄の数字を入れますか?
計算ツールの入力 課税明細書の欄
土地の固定資産税評価額 土地の評価額(価格)。筆が複数なら合計
土地の面積 地積(現況地積・課税地積)
家屋の固定資産税評価額 家屋の評価額
都市計画税の有無 都市計画税の課税標準額の欄に金額があるか
固定資産税の税率 固定資産税の税相当額÷固定資産税の課税標準額
都市計画税の税率 都市計画税の税相当額÷都市計画税の課税標準額

税率は、税相当額を課税標準額で割ると確かめられます。東大和市の見本では、70,000円÷500万円で1.4%、26,000円÷1,000万円で0.26%です。管理費・保険・光熱費は、課税明細書にはありません。契約中の金額を、計算ツールに入れてください。

この記事で使える計算ツール

ご自分の数字で、記事の内容を計算できます。入力した数字は、どこにも送信しません。

よくある質問

課税明細書の評価額は、売れる値段ですか?

売れる値段ではありません。評価額は、固定資産評価基準で評価した価格で、実際に売買する価格(市場価格)ではないと、東大和市の資料に書かれています。売値は査定で確かめます。

課税標準額が評価額より小さいのは、なぜですか?

土地なら、住宅用地の特例が付いている可能性があります。小規模住宅用地は、固定資産税の課税標準が評価額の6分の1、都市計画税は3分の1です。家屋は評価額がそのまま課税標準額で、住宅用地以外の土地は負担調整で小さくなる場合があります。

土地が200㎡を超えると、課税明細書にはどう書かれますか?

東大和市の例では、250㎡の土地は、200㎡までが小規模住宅用地、残りの50㎡が一般住宅用地の欄に書かれます。複数の筆にまたがる敷地は、各筆に同じ割合で特例を適用します。

課税明細書が見つからないときは、どうしますか?

市町村の資産税の担当課に聞きます。市町村は、請求のあった人に、課税台帳に記載された事項の証明書を交付し、台帳を閲覧に供します(地方税法382条の2・382条の3)。請求できる人の範囲と手数料は、市町村で違います。

この記事の根拠

  1. 地方税法(e-Gov法令検索)343条・349条の3の2・350条・351条・359条・364条・382条の2・382条の3・702条の3・702条の4、附則18条の3(確認日 )
  2. 東大和市「課税明細書の見方(土地)」(確認日 )
  3. 東大和市「課税明細書の見方(家屋)」(確認日 )
  4. 仙台市「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)税額を計算してみましょう」(確認日 )
  5. 横浜市の課税明細書の説明ページ「固定資産税・都市計画税の課税明細書をご覧下さい」(2026年4月8日更新)(確認日 )
  6. 国土交通省・総務省 事務連絡「空き家対策の推進を目的とした固定資産税の住宅用地特例に関する取組について」(令和3年3月30日)(確認日 )

最終更新:2026年10月25日。確認日は、出典ごとに2026年10月25日です。法令は2026年10月時点の条文です。

  • 地方税法(e-Gov法令検索)343条・349条の3の2・350条・359条・364条・382条の2・382条の3・702条の3・702条の4、附則18条の3
  • 東大和市「課税明細書の見方(土地)」「同(家屋)」
  • 仙台市「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)税額を計算してみましょう」
  • 横浜市の課税明細書の説明ページ「固定資産税・都市計画税の課税明細書をご覧下さい」(2026年4月8日更新)
  • 国土交通省・総務省 事務連絡(令和3年3月30日)

この記事は一般的な情報です。欄の名前と並び方は市町村の様式で違い、実際の税額は納税通知書と課税明細書で確かめてください。個別の税務の判断は、市町村の固定資産税の担当課または税理士にご確認ください。